2013年07月05日

明日、雑司が谷「ジャングルブックス」さんで吉例の『雑司が谷選集』検討委員会開催します〜!



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吉例『雑司が谷選集』検討委員会

7月6日(土)19:00〜21:00まで
於 雑司が谷ディープ弦巻通り「ジャングルブックス」
詳しくは→ http://jbooks.exblog.jp/20683405/

今回で5回目になる吉例『雑司が谷選集』検討委員会、
私は、雑司が谷の「梟」と云われた秋田雨雀を真ん中に
雨雀と夏目漱石、有島武郎との雑司が谷を介した関わりについてお話しします。
相方、瀬戸さんは中野重治を語るようです。
また、
瀬戸さんの常設課題、雑司ヶ谷霊園の「まこちゃんの墓」に関しても
新発見が?(^o^)のようです〜!





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posted by 星跡堂主人 at 21:00| 東京 ☀| Comment(0) | 雑司が谷と文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月11日

十二月九日 漱石忌 雑司が谷巡り

十二月九日 静かな小春日の漱石忌 雑司が谷巡り

「わがまち雑司が谷」をジャングルブックスさんに届けた。
http://jbooks.exblog.jp/

その後、
ジャングルさんの向かえの路地を入る。
この路地反対側から降りてきたことはあるが、弦巻通りから入ったのは初めて。
正面に女子大のテニスコートが開け、クランク状に曲がる。
坂を上り始めると左側に鮮やかな花が咲いている。
花のないこの時期、青空に鮮やかに生える。

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見とれていると、その花のあるお庭から品の良さそうな女性が出てきたので、
思わず
「この花は何でしょうか?」と訊いてみた。
「皇帝ダリア、綺麗でしょ。良かったら中で御覧になれば」と、庭に引きこまれる。
近くで見るとさらに大きく蒼天を覆うが如く感じる。
幹には節がある。竹の親戚なのだろうか。


庭は道よりも高台になっているので、
外から見るよりも広く、蜜柑など様々な草木が植わっていた。
向こうに見える母屋も古そうだ。
「あのお家はいつ頃建てられたのですか」
「あれはね、震災より前の物らしいわよ、
私もずっと後でお嫁に来たけどね。
もう、ボロ家ですよ」

震災より前ということは、震災にも生き残ったのだろう。
質素だが時を経た風格がある。
「玄関の方には、松もありますよ」と、云われたので、
玄関先に回ると、これがまた立派な松だった。

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普段余り通らない路地裏に、ちょいと古い家屋や樹々がある。
それが雑司が谷の雑司が谷たる所以だと、思う。
麹町などの御屋敷まちにないし、
戦災で悉く燃えてしまった下町にもそれはない。
そういう所に、ひっそりとこうした方々が住んでいらっしゃる。
奥ゆかしいのだ、雑司が谷は。




その家を辞し、坂を上り路地を何度か曲がって
雑司ヶ谷霊園に入る。

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いくらか紅葉も遺っている。
さくさくと枯れ葉を踏みしめて、漱石の墓へと参る。
十二月九日は漱石の祥月命日。

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この墓所はしかし、余り漱石が居るようには感じない。
霊園には様々な人の墓所がある。
アリス・ミラーのように、その墓前で手を合わせる度に
逢ったこともない彼女をひしひしと感じる墓所もあるのに。


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それでも、こうしてやってくるのは何か意味があるのか。

 かさかさと枯れ葉踏みしめ漱石忌








この時期の霊園は、方々で山茶花が咲いている。

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山茶花は、十一月半ばくらいから長い間咲き続ける。
香りも良い。
そして、はらはらと 枯れ葉の上にひとひらづづ散る。

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霊園を御嶽坂から下る。
白鳥稲荷で柏手を打つと、にゃぁ〜という呼び声。
みたけちゃんが気持ちよさげに日向ボコしていた。

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都電を渡る。大鳥神社の林。

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社殿右の大銀杏。
副都心線の開通の頃、樹の勢いが衰えていたが
大分盛り返してきた。境内が以前のように一面の銀杏で埋まっている。
嬉しい。

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境内を出て緩やかなカーヴのだらだら坂をのぼる。
左手に本納寺。
しろ山茶花ともみじのあいまに大須賀乙字の句碑が隠れている。

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 木揺れなき夜の一時や霜の聲   乙字




本納寺横をさらにのぼっていく、鬼子母神へ
大銀杏の葉は落ちきっていたが、他の銀杏はまだ少し遺っていた。

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ここでもお参り。
雑司が谷はそのまちの各所で、手を合わせる。
まちを歩くことが、すでに巡礼のようになる、不思議で有難いまち。




路地の石畳の上にひっそりと蒼い杜鵑が咲き残っていた

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  巡りきて路地にのこれる杜鵑























posted by 星跡堂主人 at 22:54| 東京 ☀| Comment(0) | 雑司が谷と文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月11日

大木実「夏の日」

  夏の日              大木実

 早稲田から王子へ、東京では市街を走る電車の殆どが、撤去され
すがたを消してしまったのに、この路線だけはいまだに残されて、
町裏を、家々のうしろを、走り続けていた。
 早稲田から乗り、いちどここを通った覚えがあるが、そのときど
こまで行ったのか、どこで降りたのか、記憶がないのはたいした用
事ではなかったのだろう。遠い日のことだ。ひとり身の青年の日の
ことだ。
 きょう、私は鬼子母神前の停留所に立って、僅かのひとを乗せ眼
の前を過ぎていく電車を眺めていた。白絣を着た私も乗っていた。
一枚の切符を握りしめて外を眺めている、三十年前の若い私が----。


                『夜半の声』(昭和51年)所収
                 原文は縦書き

     詩集『夜半の声』は緑の箱に入って背が黒革に金文字で、
     表紙は雲母が散らされたような生成り色に題字が方押し
     されている美しい装丁の詩集です。



















   
posted by 星跡堂主人 at 22:33| 東京 ☀| Comment(0) | 雑司が谷と文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする