2013年09月22日

ロシアの映画『瀕死の白鳥』(Умирающий лебедь / Dying Swan)



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12月の本郷中央教会でのサイレント映画上映会で
ロシアの映画
『瀕死の白鳥』(Умирающий лебедь / Dying Swan) が上映されます。
柳下美恵(サイレント映画ピアニスト)
新井幸子(チェリスト)の演奏による上演です。


この映画は、全編が1時間弱の物語で、
ヒロインの名は、ジゼル(何と言う名前!)で、
話の内容も面白そうなんですが、
それよりも、

この映画、驚いた事に!
作中
ミハエル・フォーキンが、
1907年に慈善演奏会(日露戦争傷痍軍人とその家族のための)で
アンナ・パブロワに振り付けた「瀕死の白鳥」が、
そのままフルスケールで踊られているのです。



踊り手は、モスクワボリショイ劇場のソリスト
ヴェーラ・カラーリ(Vera Karalli)

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彼女は、
当時ボリショイの芸術監督だった
アレキサンドル・ゴルスキーのお気に入りダンサーで、
彼が振り付けた『サランボー』や改訂した『白鳥の湖』、
『ファラオの娘』『皇帝に捧げた命』(グリンカのオペラ)などを踊っています。

このページの写真は、
1910年に上演された『サランボー』のものと思われます。
→ http://ow.ly/oRD2K

こっちはロシア語版
→ http://ow.ly/oRDCi
この写真には『サランボー』とキャプションに書いてありますね。
英語版と記述も微妙に違います。

attheballet.jpg



カラーリは、ダンサーとしてボリショイやバレエリュスで踊りつつ、
(バレエリュスの公演中駆け落ちして彼女の代役をカルサーヴィナが踊ったとも)
ロシア最初の映画スターと云われていたようで、
東洋的な美しさと見事に構成された表現力が評価されていたようです。
→ http://ow.ly/oRD
→ http://ow.ly/oRDRD


この映画の監督エヴゲニー・バウエル (Yevgeni Bauer)にも気に入られ
何度も起用されています。


また、ドミトリー・パブロヴィッチ大公
(皇帝アレクサンドル二世の孫でニコライ二世の従兄弟)の愛人でした。
(当時のロシアの主要女性ダンサーの多くは貴族の愛人です)
ドミトリー大公が企てたとされるラスプーチン暗殺事件に、
加担したらしいという点も、興味深いです。




「瀕死の白鳥」の古いフィルムと云えば、
アンナ・パブロワ自身が踊った映像が残っていますが、
これは晩年の1924年にハリウッドで撮影されたもので、
今一つ映像の状態がよくありません。この時、パブロワは43歳です。

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アンナ・パブロワの「瀕死の白鳥」



一方、12月に上映される映画『瀕死の白鳥』、
カラーリは当時27歳で踊っている映像もずっと鮮明のようです。

そして、何と言ってもこの映像こそ、
「瀕死の白鳥」を踊った、
現存する最古の映像ということになるわけです。
初演から約10年、ペテルブルクとモスクワとの違いはありますが、
カラーリは、1910年代の初めにバレエリュスに参加しているので、
その時に、パブロワから教えてもらった可能性が高いでしょう。



12月、本郷中央教会での映画上映界の詳細
→ http://mie7thheaven.tumblr.com/post/60449484613





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posted by 星跡堂主人 at 23:25| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 le Journal | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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