2011年02月05日

雑司ヶ谷霊園のさくら、伐られる



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こういう記事を書くのは何とも気が重い。
雑司ヶ谷霊園1−2ー4にあった
大きな桜(オオシマサクラ系?)の樹が伐られました。
毎年、4月の初めになると咲き始め
花と葉が一緒に出るためか枝がだらりと下がり通路を覆い、
それを見上げると、香しい薫りさえ感じました。


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雑司ヶ谷霊園では、一昨年以来多くの樹々が伐られています。
そのような状況を促進している一因は、
現在霊園管理を行っている
東京都公園協会の以下のような方針です。

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[墓所内樹木の管理について]
 使用者の墓所内にある樹木の管理は使用者自身でおこなっていただくことになっております。
近隣の墓所へ迷惑がかからないよう適切な管理をお願いいたします。
 なお、墓所内樹木は「樹木管理番号」のついた樹木も使用者管理となりますので、ご理解ください。


[墓所間樹木の管理について]
 墓所間樹木が墓所を損傷させています。樹木は生長し続けます。
先送りする程損傷が拡大し、処理が難しくなります。速やかな処理をお願いいたします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上

さらに写真入りで
以下に該当する樹木は、速やかに伐採することが求めたれています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一般墓所内樹木
枝が近隣墓所を覆っている

一般墓所間樹木
根が囲障等を破壊している

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上
引用は http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/info071.html#2 から

近隣の墓所を覆っているとか 
墓所間の境界にあるものは速やかに伐採することが
霊園の墓所の所有者に求められています。
これは谷中、染井、青山などの他の都立霊園も同じことでしょう。

しかしちょっと大きな樹になれば、
その墓所が余程大きな敷地でない限り
簡単に周辺墓所を覆ってしまいます。
上記の通りにどんどん伐採していたら
霊園の大きな樹々は、ほとんど無くなってしまうことでしょう。

公園協会のこの方針は、ただ「管理」を優先するという
如何にも官僚的な発想しかないように思えます。

さらには、
「倒壊危険」を理由にも多くの古木が伐られています。
樹木医の診断が基準になります。
しかしその「診断」が正しいかどうか、市民の側には検証する術がありません。



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これが今現在の、1−2付近の通路。
突きあたりを左に折れると、都電の「雑司ヶ谷」電停です。


昨年の4月、さくらの咲いていた通路

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そして、伐られたさくらの跡


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さくらの為か、僅かにずれている隣の墓所の壁
これが伐採の理由だったのかもしれません。

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霊園の墓所は全てその所有者に管理責任があり、
またその墓所内での樹木をどう扱うかも
その所有者に任されており、
墓所内の樹木の扱いに関しては、霊園事務所は質問にも応じません。
しかし、その一方で
上記のような「通達」を出して「指導」するお役所でもあるわけです。


無縁墓所の問題も含めて、
霊園が他の公園や市街地と異なり、
難しい点は、霊園という公共空間の中にある
個人所有である墓所の敷地は、
公共のものかどうか、という点です。
これは、
個人の家の建物や庭が、周辺の地域環境とどう関わるのかという
公共の在り方の問題と似ています。

戦前の国家主義への嫌気から
日本社会は、個人所有を重視しつつ
それ以外のことは全てお役所に任せるという、
個人と社会との歪な関係を続けてきました。


しかし、都市空間も霊園も、
人々にとって何が大切なのかという公共性を
役所に任せておくのではなく、
墓地所有者や周辺住民、その他の市民と共に
造っていくことを目指していかないと、
事なかれ主義を第一とするお役所の「管理」から
雑司ヶ谷霊園に遺された良き環境を、
守ることはできないと、
危惧しています。



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posted by 星跡堂主人 at 18:17| 東京 ☁| Comment(0) | 雑司ヶ谷霊園 Cimetière de Zoushigaya | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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